「みちびき」や「CLAS」役割や機能を解説

弊社では、順天頂衛星みちびき(QZSS)CLAS活用による、センチメートル級単独高精度測位システムと紹介しておりますが、そもそも「みちびき?」、「CLAS?」と思う方が多いいのではないでしょうか。

日本の「みちびき」

みちびき(準天頂衛星システム)とは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのことで、英語ではQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)と表記します。

衛星測位システムとは、衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムのことで、米国のGPSがよく知られており、みちびきを日本版GPSと呼ぶこともあります。

みちびき
出典:qzss.go.jp
準天頂衛星「みちびき」の役割

身近なカーナビや携帯の位置情報サービスのような衛星測位は、より多くの衛星が見えることで精度が安定します。しかし、アメリカのGPS衛星では、都市部や山間部ではビルや樹木などに電波が遮られて可視衛星数が減り、位置情報が安定的に得られないことがありました。

そこで、日本独自で、天頂付近に衛星が来るような人工衛星を打上げることとなりました。
「みちびき」はその1つです。

「みちびき」の運用により、安定した高精度測位を行うことを可能とする衛星数を確保することができるようになりました。山間地、ビル陰等に影響されず、日本全国をほぼ100%カバーする高精度の衛星測位サービスが可能となり、GPSの精度も、これまでの約10m程度から1m~数cm程度へと飛躍的に高まりました。

みちびき役割
出典:qzss.go.jp

CLASって?

CLAS(シーラス/Centimeter Level Augmentation Service/センチメーター級測位補強サービス)とは、PPP-RTKと呼ばれる方式です。

「CLAS」は、L6信号による「みちびき」独自の国内向けサービスで、地上で補強情報を計算し、「みちびき」を経由してL6信号で配信。この補強情報を利用することでセンチメータ級の測位精度を実現する技術です。L6D信号は、GPSから配信している信号ではないため、専用の受信機が必要になります。

PPP-RTK
出典:qzss.go.jp
CLASの特徴

RTK測位は基準点(基地局)から10km以上離れると誤差が大きくなるのが欠点ですが、CLAS(PPP-RTK)測位では基準点無しで測量することができ、基準点からの距離による制約がありません。
基準点がいらないGNSS測量にVRS方式(ジェノバ社の有料サービスを利用した測量方法)がありますが、「みちびき」のセンチメータ級測位補強サービスは電波を受信できれば無料で利用することができます。
また、インターネットに接続する必要があるVRS方式と違い、衛星から直接補正情報を受信するため、インターネットに接続しにくい山間部や近海でも利用できます。

弊社では、この「みちびき」からの無料の電波を受信することが可能な「Civil Surveyor QZSS」というシステムをご案内しております。

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